靴の人気5ブランドを履き比べ!サイズ感の特徴や失敗しないポイントをご紹介!


CATEGOREY

"ALL ENJOY"

靴のサイズ感は、ブランドによって本当にマチマチ。ましてやウィズもラストも違うとなれば、自分にピッタリ合う靴を選ぶのは難しいですよね。
普通は、プロの店員さんと一緒に試着をしながら、自分に一番合うサイズを選ぶのが一般的です。
しかし、インターネット上に魅力的な靴がたくさんあると、「それが欲しい」となるのは当たり前。でも、試着できませんので、失敗してしまう可能性もあります。それならば、失敗を少しでも減らす為に、知識を増やすしかありません。

「どうやって選べばよいか分からない」。
「いつもサイズで失敗する」。
そんなインターネット購入が不安な方の為にも、具体的なブランドごとの傾向や、実際に履いた感じをまとめました。

国・ブランド別の傾向

最初に、各国の靴が、どんな傾向にあるのかをまとめました。なぜなら、自分の具体的な好みが分かると、サイズ選びもスムーズに進むからです。

イギリス

紳士らしい真面目で上品な靴。質実剛健なグッドイヤー製法が主の為、最初は固い履き心地で、履くほどに自分の足に合ってくるという設計。この英国靴を基準で考える方が多いです。

イタリア

原則サイズ感は大きめ。英国靴よりハーフからワンサイズは大きいと思ってください。これは、履いた瞬間から楽チンなものを求める、イタリア人の国民性も反映しています。マッケイ製法の軽快な靴が多いです。

フランス

ブランドによって個性があります。フランス人は自己流のお洒落やこだわりを大切にする為、ブランドも独自路線が多いです。サイズ感もブランドマチマチですが、ラスト展開はそれほど多くありません。つまり、ブランドの傾向さえ掴めば、かえって選びやすいのがフランス靴です。

アメリカ

全体的にゆとりがあるフィッティングで、履き心地もリラックス気味。アメリカはUSサイズ表記なので、英国靴よりハーフサイズ大きい物を選んでください。自由を大切にするアメリカらしさが表れた靴で、スーツにも同じ傾向がみられます。

実際にスタッフが普段履いている靴

普段は基本的にサイズ6を着用するスタッフが、試着をしてみます。
参考までに、下記が普段から履いている靴の情報です。

「エドワードグリーン 202 6D」

私の足は、甲が低めで幅は一般的な日本人らしい足形です。この中でよく合うと思うものは、エドワードグリーンの202です。しかし、外反母趾が進んだのか、以前より幅が窮屈に感じてきました。今だったら6のEウィズが適正なのかもしれません。

「JMウエストン ゴルフ 51/2D」

こちらは少し緩めのフィッティング。使用する際は、カジュアルで厚手のソックスを履くことを想定していたので、問題なく使用できています。

「パラブーツ シャンボード 6」

シャンボードもゴルフと同じように緩めのフィッティングですが、カジュアルなソックスを使用して履いているので、問題ありません。

「エンツォボナフェ ストレートチップ 51/2」

イタリア靴の中でもそこまで大きな作りではないので、5ハーフで丁度良いです。ちなみに、やや作りの大きいサントーニの場合は5を履いています。

試着する5ブランド

次に、当店でも人気の5ブランドを、(クロケット&ジョーンズ・JMウエストン・オールデン・チーニー・エンツォボナフェ)を、試着してみました。条件は以下の通りです。

  1. 全て同サイズ(サイズ6)を試着。
  2. 着用時間は14時頃で、少しむくみが出始める時間帯。
  3. ソックスは、ドレス用のやや薄手のもの。

尚、足の形やフィッティングの好みもある為、個人の感想が強くなります。予めご了承ください。

クロケット&ジョーンズ ハンドグレード サヴィル SIZE 6E

『思ったよりゆるい』
実はあまり履いた事がありませんが、第一印象は思っていた以上に大きいです。パリラストと呼ばれる内振り気味の337ラストですが、私には踵と甲がゆるく、歩くと踵が抜け気味になります。感覚的にエドワードグリーンよりハーフサイズは大きい印象。Eウィズにしては幅はやや狭めに感じられ、これからソールがさらに沈む事を考えると、ハーフサイズ下が適性サイズのようです。
人気のある有名ラストですが、私の足にはちょっと合わないと感じました。

JMウエストン ロジェ SIZE 6C

『圧迫感はあるけど、苦痛はない』
JMウエストンは、英国靴よりやや大きめな印象です。ヒールも多少ゆるいですが、ローファーでない限り、大きな問題はありません。Cウィズはさすがにきついかと思っていましたが、さほど苦も無く入りました。普段よりハーフサイズ大きい事も理由でしょう。しかし、「足が入る」と「履ける」は別の話。一日歩いていると、足がむくむ夕方には痛みを感じる心配も。だから、どちらかを選べと言われたら、やはりDウィズを選ぶと思います。長さも余り気味なことを考慮すると、51/2Dが適正のようです。

オールデン 29331 バリーラスト SIZE 6D

『バリーラストはひとつ下で良い』
オールデンはUSサイズ。そのため、ハーフサイズ上の61/2でジャストと思っていましたが、6でも何の問題もなく入りました。幅広のバリーラストだからでしょう。もちろん点で当たる部分もなく、スエード素材という事もあり、痛みや窮屈感はありません。むしろ心地よさを感じる程良いフィット感です。強いて言えば、踵が浅い為、ホールド感が物足りないくらい。
バリーラストの場合は、普段よりハーフサイズ下でも問題なさそうです。

チーニー 5785/17 ユナイテッドアローズ別注 SIZE 6F

『楽だけど、Fウィズでは大きい』
Fウィズのスエード素材という事で、この中で一番楽に履けました。窮屈感は一切なく、外反母趾も傷まないリラックスした履き心地です。しかし、伸びやすいスエード素材のうえ、今後もう少し馴染んでくることを考えると、やはりFウィズではゆるすぎるかも。ゆるいことで靴が動き、逆に疲れたり靴擦れしたりしますので、明らかにゆるい場合は控えた方が賢明だと思います。
デザイン的に厚手のソックスで履きそうなので、そうなるとEウィズがジャストになってくると思います。

エンツォボナフェ ダブルモンク SIZE 6D

『苦手だったダブルモンクも履けた』
あるあるかもしれませんが、イタリアのダブルモンクは甲がゆるくて合わないことが多いです。しかし、こちらはさほど気にならず、変なゆるさは感じませんでした。なぜなら、こちらは踵の下にのみ更に一枚インソールが挿してあり、そのためヒール周りがサイズダウンしているから。それがない場合は、おそらく甲の高さが足りなくなり、靴内で足が動いてしまいそうです。イタリア靴は全般甲が高いですし、ダブルモンクは紐靴のように調整ができません。そのため、イタリア靴のダブルモンクを履く場合は、甲が合うかが一番のポイントになります。

履いてみた感想

以上、5足を履いてみて、率直な感想です。
まずは、かの有名なクロケット&ジョーンズのパリラストが、足に合わなかった事がショック。そして、オールデンのバリーラストが大きいというのは事実で、ハーフサイズ下でも快適に入ったことは、大きな収穫でした。
その他の靴は大体想定内でしたが、JMウエストンの適性サイズはいまだにあやふやです。今まで路面店の2店舗で試しましたが、「万力は嫌だ」とわがままを言ってしまった為、2店舗でわりと違うサイズを勧められたからです。でも、お店側の推奨と自分の好みは、必ずしも一致しなくても良いはず。履くのは自分ですから、「自分が責任をもって決める」のが、一番良いなと思いました。

失敗しないポイント

実のところ、履き心地やフィッティングは、実は日々変化します。どうしてかというと、足のむくみ具合や、ソックスの厚さ、靴の特性によってもハーフサイズは平気で前後してしまうからです。だから、靴選びは難しく、奥深いのです。
では、どのように選べは良いかというと、ポイントは3つあります。

ポイント① 靴の特性を知ること

グッドイヤー製法はインソール下のコルクが沈む為、後に少し大きくなります。他には、マッケイ製法とハンドソーン製法は、沈むというほど大きな変化はありません。そのため、グッドイヤー製法の場合は、履いた後にゆるく柔らかくなることを意識したサイズ選びがよいでしょう。それぞれの靴によって特性があるので、それは事前に覚えておくと良いでしょう。

ポイント② ブランドの特性を知ること

ブランドの生い立ちや考え方が分かれば、そのブランドの靴に対する傾向が分かります。例えば、登山靴にルーツをもつパラブーツは、履き心地や耐久性に重きを置いています。そのため、無理のないフィッティングで、足馴染みの良い皮革を用いる事が多いです。そのように気になるブランドがあったら、掘り下げて調べてみると良いです。

ポイント③ 自分の足を知ること

靴に詳しくなっても、自分の足の事はあまり分かっていない方が多いです。むくみやすいのか、幅広なのか、甲高なのか、左右で差があるのか。それを知らずしてジャストサイズは探せません。個人の感覚だけでなく、靴屋での客観的な話もしっかり参考にしてください。そうして自分の足が分かれば、失敗もグッと少なくなりますよ。

おわりに

最後に、サイズが合わない靴は、履き心地が悪いだけでなく、身体にも良くありません。靴擦れはもちろん、外反母趾や腰痛などを引き起こし、ひどくなると全身に不調が出てくることもあります。
だから、サイズが合わない靴を無理して履くのではなく、自分に合う靴を選んでください。
その靴が、本当の意味での『一生物』になるはずです。

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