マニカカミーチャってなに?
マニカカミーチャは「シャツ袖」の意味
マニカカミーチャとは、イタリア語で「シャツ袖」という意味。スーツやジャケットの袖付け方法の一種です。そもそもが、イタリア ナポリの手縫い職人が好んで用いる技法。肩パットやタレ綿等の副資材を使わず、肩にギャザーを入れながら縫い付けます。
マニカカミーチャの魅力は?
柔らかくて軽い着心地とリラックスした雰囲気が魅力です。袖の生地を多く取っている為、可動域が大きく、腕を上げた時も窮屈さを感じません。さらに、他のスーツにはない特別感も大きな魅力でしょう。
しかし、日本ではまだあまり認知されておらず、カジュアルに見えてしまう場合もあります。それゆえに、ビジネスでの着用は、シーンや相手の理解度を考慮する必要があります。
どんなブランドがある?
例えば、オラッツィオ・ルチアーノ(ラベラ サルトリア ナポレターナ)やキートン、ダルクォーレといったブランド。これらはナポリを代表するブランドで、マニカカミーチャの出来の良さも素晴らしいことで有名です。
さらに日本では、リングヂャケットやセレクトショップオリジナルでも見受けられます。それゆえに、肩がギャザー状にいせ込まれていれば、広義でマニカカミーチャと言えるでしょう。
コーデの際の注意点
マニカカミーチャを用いたスーツ全般、軽く柔らかな仕立てが特徴です。しかし、そのリラックスした雰囲気が、悪く言えばだらしなく感じられることも。そのため、肩幅はもちろん、中胴のサイズをしっかり合わせる必要があります。肩は多少窮屈でも、袖側のギャザーで緩和されるので大きな問題はありません。
ほかにも重要なのは、パンツの裾幅を比較的細めに設定すること。それよってスタイリッシュな雰囲気になり、カジュアル感を上手く抑えてくれます。
最後に、日本のスーツ文化はまだ発展途上です。
どうしてかというと、年齢が上の方は大きめで着る多く、若い方はタイトに着る方が多いからです。それは言い換えると、自分のジャストサイズが分かっていないとも言えます。
マニカカミーチャといったひとつのディテールにも興味を持ち、自分のサイジングをさらに洗練されたものにしていくこと。その積み重ねが、日本のスーツ文化の発展に繋がるはずです。